受験と地方格差

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%e3%81%82%e3%81%ae%e4%b8%96%e3%81%b8go  中学校受験と地方格差

私は現在、長野県に住んでいます。
子どものころは愛知県名古屋市で過ごしました。
ちなみに私は私立中学校受験を見事に失敗しています。
塾にも行かなかったし、対策の「た」の字もしなかったので、当然の結果です。
その当時の名古屋市でも、まぁ私立中学を受験するなんて小学生は、本当に希であったと思います。
 
今、私が住んでいる長野県、人口から見るとまぁ田舎といっていい県であっても、それでも、私の子どものころの名古屋市よりも、国立・私立中学校や公立中高一貫校へ行くという選択肢を現実的に持っているように感じます。
 
実際には、東京都でも約18%程度が中学校受験をしているのが現実です。
30人クラスで6人ほどが地元公立中学校に進学せず、別の進路をとっていることになります。
これを多いと見るか少ないと見るかは、それぞれの感覚によると思いますが、確実に言えるのは長野県でさえ近頃は、公立中高一貫校が2校、私立中学校が6校、大学付属中学校を入れると計10校も地元公立中学校以外の進路が見られるようになっているという現実がそこにあるということです。
20数年前には付属中学ぐらいだったに…と驚きを隠せません。
東京都の18%には及ばなくともそういった風潮は確実に押し寄せてきているように思います。
 
たしかに、インターネットや高速交通手段によって社会は、急激に距離を縮めました。
その影響で一見、社会的格差が狭まったように見えるかもしれません。
 
しかし、本当の所は、実は気がつかなくてもいいような地方と都会の社会的格差をインターネットなどによって目の当たりにし、そのせいで現実にうちひしがれる結果を招いているように思えてなりません。
今話題のポケモンGoなどが顕著な例です。
ただただゲームをするだけなら都会と田舎の違いなど気づかなかったのに、ポケモンGoはその格差を浮き彫りにしてしまったのです。
 
今後の地方はどうやって動いていくことになるのでしょう。
目の当たりにした現実の、その顕著な格差を埋めるべく人が動いていくことになるでしょうか。
もしかしたら長野県で10校ちかく特別な中学校ができたのも、そういった流れがすでに始まっている証拠なのかもしれません。
地方が都市化するのか、都市が地方化するのか、はたまたその両方か……。
いずれにせよ、そういった変動の時代を、都会で、地方で、自分の人生をかけて子どもたちは生きていくことになるのです。
 

 高校受験と地方格差

『長野県高校入試2017』(長野県民新聞社発行)によりますと、私の住んでいる地域で学力上位であるとされるN高校(公立)の場合、前年度の卒業生が238人。
その中で4年制大学進学者数が170。このうち国公立大学に進学した人は92人です。
これがその次のランクのI高校(公立)になると199人中、国公立大学進学が33人。
さらに次のランクのM高校では196人中9人となります。
この地域では、中学校で平均点以上の生徒はおおよそN高校とI高校の2校に進学します。
簡単にいうと中学校30人クラスで12人ぐらいがN高校かI高校に進学し、そのうち国公立大学へ進学する人が3人ということになります。
 
同じ長野県内でも、以前住んでいた松本市のトップ校であるF高校の場合、317人中、4年制大学進学が190人。
うち国公立大学進学がなんと118人。
思ったより少ないと感じる人もいると思うので、自分の進路に満足できずに浪人した人が120人ほどいることも付け加えておきます。
また、この地域では、平均点以上の生徒が行く高校が先ほどの2校に対し4校あります。
 
私の育った名古屋では平均点以上の生徒が行く高校の数は、地域にもよりますが6~8校ぐらいあったように記憶しています。
 
要するに人口によって教育の環境が大きく異なるということです。
競争原理が働きますから当然ですよね。
地方格差の問題は、実は子どもたちが受ける教育の現状からすでに始まっているといえるかもしれません。
ちなみに、ある転職サイトによると平均年収の大学別ランキングは 1位東京大学、2位一橋大学、3位京都大学、4位慶應義塾大学、5位東北大学、6位名古屋大学、7位大阪大学、8位神戸大学、同8位北海道大学、10位横浜国立大学となっており、10位中9校が国公立大学です。
100位以内では49校と約半数。
国公立大学と私立大学の校数の差を考えても、やはり現在の日本では国公立大学優位のようです。
ちなみに地元の信州大学はこの統計では37位でした。
 

 地方における高校受験のとらえ方

しかし勘違いしないでください。
生まれた場所による格差が大きいことは事実であっても、それが決定的に大きな問題なのではありません。
問題なのは、その格差の現実を理解した上で対応していこうとしないことなのです。
つまり、どこに意識を置いて生きていくかということが大事なのです。
 
例えば先に出たI高校に合格することを目的として現在学習している人と、I高校入学後に30位以内に入ることを目標にして現在学習している人とでは、志望校は同じであっても、人生における高校入試の意味はおのずと違ってくるでしょう。
 
人間、大学進学だけがすべてではありません。
ですが、この情報化社会の中で、意識をして調べればわかる格差とその対応法に対して、ただただ目をつぶって目先の優位のみを味わっていたのでは、まさに井の中の蛙。
どのジャンルで自分らしさを発揮するにせよ、大きな海へは進めないのではないでしょうか。

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コメント

  1. […] 以前、別のブログに書いたことのある都市と地方の格差は、 […]