人工知能の発達で浮彫になる人に求められる能力

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 今どきの人工知能

ついこの間、チェスや将棋と比べて、人工知能の勝利は難しいといわれていた囲碁において人工知能が勝利を収めました。
 
また、オランダではマイクロソフトの協力を得て、ザ・ネクスト・レンブラントというプロジェクトが行われました。
光と魔術師ことオランダの画家レンブラント(1606~1669)の作品を、人工知能に分析させ、その特徴を学習させ、ついにはレンブラントの新作というか、模倣というか、贋作というか、を作らせるというものです。
350年ぶりのレンブラントの新作!
なんていうと、とってもロマンチックでミステリアスな気がするのは私だけでしょうか。
色彩や筆遣いまでレンブラントの特徴そのものですから、そりゃぁもう立派なものです。
 
最近の人工知能のキーワードはディープラーニング。
データの特徴をより深い階層で学習するとされるものです。
なんというか、そのぉ、難しいですなぁ。
多層構造で分析して認識をするといったところでしょうかね。
 

 人工知能と人間

人は神の姿に似せて作られた。
とは、よく神話に出てきそうな発想です。
でも、その発想自体が実にトートロジーな感じがしますが、要するに人が神を想像するとき、一番の高等生物であるという自覚から神を人型にしてしまいがち。
で、その人型の神が、自分に似せて作るから人型の人……。
ちょっと滑稽さを感じてしまいます。
 
いや、何を言いたいかというと、きっと人工知能も人が作る以上、人がイメージできる人の思考方法もトレースすることでしか成立しないんだろうなぁということなんですよ。
レンブラントの模倣画と同じように、人工知能も人の模倣に過ぎないといったところでしょうか。
ただ、その処理速度とデータの膨大さが人をまったく寄せ付けないのが特徴です。
その正確性と速度から、頻繁にエラーを起こす人に比べて、よっぽど人工知能のほうが能力的に上位にたてるといえるでしょう。
 

 人が人であるために

ここまで人工知能の発達が進んでくると、人は未来に不安を抱かざるをえません。
2030年には、今の仕事の約半分が消滅するといわれています。
ロボットや人工知能にとってかわられるからです。
教師や医者などのコミュニケーションを必要とする職業はそれでも残りやすいといわれています。
しかし、アメリカジョージア工科大学で教授の助手として質問や疑問に答えるためのメールのやり取りをするアシスタントティーチャーを人工知能にしたところ、5か月間、学生に気づかれることはなかったという話もあります。
今や、人工知能はここまできています。
これでは教師ものほほんとしてはいられません。
いずれにせよ、あと数十年で世界は大きく変わるでしょう。
 
そこでやはり気になるのが、人は人工知能に駆逐されるのか。
というとです。
そこまで言わなくとも、人工知能と人は何が違うのか。
という疑問はおそらく誰もが持ち合わせることでしょう。
私なりにですが、これを考えてみます。
この疑問については、いろいろな人がいろいろなことを言っていると思いますが、総じて「創造」をその根幹に置いた答えが多いですよね。
いや、ごもっともだとは思います。
そりゃ、人工知能には突拍子もないアイデアなんか出せないでしょうからね。
でも、私たちも普段そんなアイデア出してます?
出してなければ、やはり人は人工知能に滅ぼされるんじゃないですか?
 
私の考えの結論をズバリ言いましょう。
それは。
欲です。
「〇〇したい」という願望です。
それともう一つ。
願望の周りについてくる疑問です。
つまり「どうして○○なんだろう」という問題意識です。
おそらくこの二つは人工知能にはないんじゃないかなぁ。
例えば人工知能が「いやぁ、今日は暑いからデータの検索へらしたいわぁ」とは思わないと思うんですよね。
これ、思ったら、エラーでまくりで人工知能の存在感そのものが失われますよね。
だから人間もエラーするのか……。
いや、余談でした。
 
もうひとつが問題意識です。
人工知能が人を駆逐すると仮に仮定して、そのプロセスはおそらく「地球環境を守る」という大命題があってその大命題に反する要素として人が抽出され駆逐されるというものでしょう。
そうすると「地球環境を守る」という大命題はどこから得られるか。
やはり人の思考から与えられるしかないと思うのです。
人工知能はルールがある場面でこそ、その特徴を生かせるものです。
だから、ルールのもととなる大命題はやはり作り出すことはできないでしょう。
その大命題を導き出すために必要なのが、問題意識と欲なのです。
 

人工知能のある世界での人の価値

こう考えてみると、人がこれから持たなければならない能力と価値がおのずから見えてきます。
ひとつは自分の欲を表現し実現する手法を身につけるということです。
実はこれ、最近はやりのアクティブラーニングの根幹かつ欠点であると思うんですよね。
だって、アクティブラーニングの手法って欲がない人には向かないですよね。
技術的にその欲を出させるとしても、それってその人の本当の欲じゃないし……。
 
最近の教育の残念なところは、その欲を出させるために、程度の低い満足感を与えすぎているところですね。
まぁ、これも余談です。
 
もうひとつは、問題を発見する能力です。
これは今後価値が高騰しますよ。
なぜって、今の教育では、問題を解くことを中心に行っていますからね。
でも、それって人より人工知能に向いているんです。
だから、人工知能が利用できる人は、問題を発見し人工知能に問題を提示できる人ってことになりますよね。
会社でもなにかの問題、解決すべき問題もあるでしょうし、より効率的効果的になるための問題もあるでしょうが、それらを発見・提示できる人は重宝されるでしょう。
 
となると、今の教育にどのような手法があるべきか……。
と、おのずと考えてしまうのでした。
いや、今のところはまったく思いつきませんが……。

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